
ローカル・ガバナンス研究会

業績
著作等を紹介します

日英の孤独政策
官民連携のあり方を問う
山本隆・山本惠子 編著
桜井智恵子・山本耕平・八木橋慶一・北見万幸 共著
光生館 192ページ 2024年3月刊行 ISBN 978-4-332-60105-0
内容
国の政策化と官民連携の観点から,日本と孤独・孤立対策の先進国であるイギリスの現状を精査し,自助や共助だけでなく公助を含めた対策を述べる。
目次
第Ⅰ部 総論 日英の孤独政策の比較
第1章 日本の孤独・孤立対策の概観
第2章 英国の孤独政策の概観
第Ⅱ部 各論 孤独・孤立をめぐる個別問題の検討
第3章 孤独・孤立政策のロジック―当事者とされる若者・女性・子育て家庭・「ヤングケアラー」
第4章 今日の社会と若者・中高年のひきこもり
第5章 孤独・孤立と自殺予防―いのちの電話とサマリタンズの日英比較
第6章 高齢者の孤独・孤立―ひとり暮らし高齢者を中心にして
第7章 孤独死問題と行政による終活支援
第Ⅲ部 英国の孤独政策
第8章 英国の孤独政策の検証
第9章 英国の孤独政策の実践事例
第Ⅳ部 官民連携のあり方を問う
第10 章 日英の孤独政策の総括

ニューミュニシパリズム
山本隆・山本惠子・八木橋慶一共編著
『ニューミュニシパリズムグローバル資本主義を地域から変革する新しい民主主義』
明石書店、288ページ、2022年5月26日刊行、ISBN 978475035366
内容
拡大する格差・不公正。深刻化する社会の分断。対抗軸となる社会構想は可能なのか。ポスト資本主義を見すえて、欧米の諸都市では自治体が協同組合やNPOなどと連携し、様々な取組みが行われている。そこから勃興するオルタナティブな連帯、そして「ニューミュニシパリズム」が目指す新しい社会を提示している。
目次
第1部
グローバル資本主義とローカル・ガバナンス(グローバル資本主義とは;国民国家とローカル・ガバナンス―グローバル資本主義の影響を受ける公共政策)
第2部
ニューミュニシパリズムの挑戦(ニューミュニシパリズムの胎動;スペインのバルセロナ・アン・コムの戦略;アメリカ・オハイオ州のクリーブランドの戦略 ほか)
第3部
社会的企業・社会的連帯経済、日英の高齢者ケアの市場化(フェアシェアズ・モデル―社会的企業と持続可能な開発;英国高齢者ケアの市場化の陥穽―行き過ぎた市場化がもたらした介護制度の欠陥;日本の介護保険制度と準市場)

福祉社会デザイン論
山本隆・山本惠子・八木橋慶一・正野良幸
『福祉社会デザイン論 ―日英の都市』
敬文堂、186ページ、2021年3月20日刊行、ISBN 978-4-7670-024-6
内容
「福祉社会」と銘打って、日英の都市とガバナンスについて、政治や経済、文化などとも絡めながら、興味深く解説している。
目次
Ⅰ イントロダクション-福祉社会のフレームワーク-
Ⅱ グローバル都市・東京
Ⅲ グローバル都市・ロンドン
Ⅳ ロンドンの社会的企業と社会福祉
Ⅴ 都市の盛衰と再生・英国北西部
Ⅵ 参加型都市プレストン
Ⅶ 横須賀市における終活支援事業
Ⅷ 人口減少社会における地方再生-高崎市の取り組みから-
Ⅸ 社会起業のまち-横浜市におけるワーカーズ・コレクティブの展開-
Ⅹ 福祉社会と都市コモンズ-英日の動向を踏まえて-

貧困ガバナン ス論
山本隆著
『貧困ガバナンス論 ―日本と英国―』
(関西学院大学研究叢書) 晃洋書房、276ページ
2019年3月30日刊行、ISBN 978-4-7710-3209-5
内容
貧困ガバナンス論という独創的概念を提示し、貧困対策の3要素である統制・合理化・抵抗を日英の比較研究から実証的にフォローしている。格差なき公正な社会に近づくためには、貧困ガバナンスの構造を理解した市民が統制を乗り越え、不利な立場にある人々との連帯を図り、政治参加することが何よりも必要であることを明らかにして、これからの新たな貧困対策のあり方を指し示している。
目次
はじめに
序 章 日本の貧困ガバナンス
―共助を志向する子どもの貧困対策―
1 子どもの貧困率の衝撃
2 足立区の子どもの貧困調査と対策
3 英国の貧困調査と対策
4 本書の構成
第I部 貧困対策の過去と現在
第1章 貧困対策の史的展開
1 英国の貧困対策の歴史
2 日本の社会扶助の歴史
小 括
第2章 貧困理論の系譜とその理解
1 アダム・スミス
2 カール・マルクス
3 ピーター・タウンゼント
4 アマルティア・セン
5 ジョン・メイナード・ケインズ
小 括
第3章 世界の貧困とその取り組み
1 OECD諸国の貧困プログラム
2 社会扶助の国際比較
小 括
第II部 貧困とガバナンス論
第4章 ガバナンス論の再検討
1 ガバナンスの含意
2 ローズの国家の空洞化論
3 アーバン・レジーム論
4 ローズとベビアーの脱中心型ガバナンス論
5 相互作用型ガバナンス論
6 ジョナサン・デービスのグラムシ主義のガバナンス論
小 括
第5章 貧困ガバナンス論
1 ガバナンスの構成要素をめぐる議論
2 ガバナンスにおける「統制」
3 ガバナンスのおける「合理化」
4 ガバナンスにおける「抵抗」
小 括
第III部 貧困ガバナンスの実証的考察 ―日本と英国―
第6章 生活保護制度の統制・合理化・抵抗
1 生活保護制度における統制
2 生活保護制度における合理化
3 生活保護における抵抗
4 事例研究:大阪市の生活保護行政
小 括
第7章 生活困窮者自立支援制度と統制・合理化・抵抗
1 生活困窮者自立支援制度における統制
2 生活困窮者自立支援制度における合理化
3 生活困窮者自立支援制度における抵抗
小 括
補 論 事例研究
―子どもの学習支援事業―
小 括
第8章 「働くための福祉」と統制・合理化・抵抗
1 「働くための福祉」における統制
2 「働くための福祉」における合理化
―分権化・市場化に向けた権限移譲―
3 「働くための福祉」における抵抗
小 括
第9章 困難家族プログラムと統制・合理化・抵抗
1 困難家族プログラムにおける統制
2 困難家族プログラムにおける合理化
3 困難家族プログラムにおける抵抗
小 括
終 章 貧困・格差なき社会に向けた貧困ガバナンスの反転
1 最低生活費の基準の問題
2 ベーシックインカムの検討
3 社会的企業の挑戦
本書のむすび
―ワーキングプアとノンワーキングプアの連帯を―
おわりに
参考文献
索 引

岩満賢次所員
岩満 賢次(2019)『若年生活困窮者支援とガバナンス』晃洋書房、153頁。
岩満 賢次(2019)「貧困対策と地域福祉計画」神野直彦・山本隆・山本恵子編著『貧困プログラム:行財政計画の視点から』関西学院大学出版会、242頁。
岩満 賢次(2019)「社会起業と地域コミュニティ:コミュニティ・エンパワメントの視点から」『人間福祉学研究』、関西学院大学人間福祉学部研究会、12(1) 91-102。
福地潮人所員
福地潮人(2022b)「スウェーデンにおけるLSS改革: 政府と障害者団体の関係に焦点を当てて」社会政策学会誌『社会政策』14(2)、105-116、査読付。
福地潮人(2022a)「新自由主義化するスウェーデン: 障害者政策への影響を中心に」『ローカル・ガバナンス研究』ローカル・ガバナンス研究会誌(1)、16-38。
福地潮人(2021)「障害者に対するアクティベーション政策: スウェーデンの賃金補助金制度を事例に」『北ヨーロッパ研究』17(1)、北ヨーロッパ学会、23-35、査読付。
三宅由佳所員
三宅由佳(2022)「ソーシャルイノベーションの理論枠組みとその要件」ローカル・ガバナンス研究会誌『ローカル・ガバナンス研究創刊号』ローカル・ガバナンス研究会、48-56。
三宅由佳(2021)「コロナ禍と福祉(生活困窮者対策)―アフターコロナにおける生活困窮予防の検討―」『人間福祉学研究』関西学院大学人間福祉学部研究会、№14(1)、75-90。
三宅由佳(2020)「コロナ禍と社会福祉問題②生活福祉資金貸付制度に係るコロナ特例貸付の意義 : 同制度の公私協働関係を手掛かりとして」『賃金と社会保障』No.1768、旬報社、24-36。